コチョウラン

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@日本向け品種の育種。20輪は着いている(台湾)

A台北の花市場に並ぶコチョウラン

B多彩な花色を誇るコチョウラン育種農場(台湾)

C日本向けの半製品を生産するの農場(台湾)

D日本向け切り花生産をするベトナムの農場
学名Phalaenopsis
和名(コチョウラン)
別名
英名(moth orchid)
科名ラン科
属名コチョウラン属
性状常緑多年草
原産地熱帯〜亜熱帯(主に東南アジア)
 コチョウランは高級なランとして広く知られている。中でも鉢物は高級贈答品として有名で、生産量もたいへん多い。

 ところが、コチョウランは熱帯原産なのでたいへん高温性である。このため、日本で小さな苗から育てるのは燃料費がたいへんで、とても採算が合わない。そこで、構築されてきたのが国際的なリレー栽培である。主に台湾、あるいは中国、タイなどで育苗し、ほぼ半製品といっても良い大きな苗を輸入するのである。そして、最後の仕上げを日本の技術で行う。このおかげで、日本のコチョウラン生産は成立している。

 やや専門的な解説になるが、コチョウランは25℃以上の高温では花芽ができない。一方、20℃あるいはそれ以下になると花芽ができる。この性質を利用して、コチョウランは計画的に、そして周年的に開花させることができる。したがって、台湾などの苗生産は25℃以下にしないように温度管理して栽培している。ということは、熱帯の国であるにもかかわらず、品質管理上、時には暖房を入れるのである。そして、絶対に花芽が形成されていない苗が日本に輸出され、日本で20℃以下に温度管理して花芽を作り、開花させる。このため、真夏には温室の冷房まで行って開花させている。開花はきわめて計画的に行われている。

 コチョウラン大国の台湾では、大規模なコチョウラン生産農場がいくつもある。クリーンベンチを百台ほども並べて組織培養による繁殖を行っている大規模な農場もある。品種改良を本格的に行っている農場もあり、その技術水準は高い。日本で流通しているものもほとんどが台湾で育成された品種である。この栽培が本格化し始めたのは日本向けであったが、現在では台湾が世界に発信するようになっている。

 同じようなコチョウランの農場は東南アジア諸国に広がっている。中国には台湾資本の農場が数多い。タイ、ベトナム、インドネシア、シンガポール、マレーシアなどにも大きな農場があり、同様に輸出している。

 ところでコチョウランと一口に言っても、その形態、花色など様々である。実はコチョウラン属には50種ほどの植物があり、これらを交配して育成された園芸用品種群を総称してコチョウランと呼んでいる。さらに、近縁の属であるドリティス属との交配品種まで「コチョウラン」に含めている。ちなみに、コチョウラン(P. aphrodite)と正式に和名のついた植物もある。この植物も、園芸上言う「コチョウラン」の育成親として重要な役割を果たしている。

 コチョウランは多年性の着生植物で、茎は短く、2列性のやや厚みのある楕円形の葉を数枚着ける。そして、葉腋から長い花茎を伸ばし、5弁の大きな花を着ける。5〜10輪程度の花が咲くが、現在では改良が進み20輪ほど着けるものも多い。普通は花茎は分枝しないが、品種によってはかなり分枝するものもある。

 花色は、日本では白花が圧倒的に人気がある。しかし、最近は桃色系など、色物もかなり出回るようになった。白花を好むのは日本独特で、世界的には色物の消費の方が多い。花色はたいへん多彩である。

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