キャサバ(マニホット)

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@キャサバの姿(インドネシア)

Aキャサバの畑(インドネシア)

B野生化しているキャサバとバナナ(マレーシア)

Cキャサバのイモ(インドネシア)

Dフリーマーケットで販売されるキャサバの荷姿(インドネシア)

Eフリーマーケットで販売されるキャサバの油揚げ(インドネシア)

Fタピオカパール(カンボジア)

Gタピオカパール(カンボジア)

H庭木としてのキャサバ(ラオス)

I庭木としてのキャサバ(タイ)
学名Manihot esculenta
和名イモノキ
別名 サバ、マニホット
英名
科名トウダイグサ科
属名マニホット属
性状常緑低木
原産地南米
 熱帯アジアの農村を走っていると、野生化したキャサバをよく見かける。キャサバは「木」なのに地中にダリアの球根を大きくしたような芋ができるので、和名をイモノキ(芋の木)という。枝を挿すだけで簡単に発根し、特に手間をかけて栽培しなくても芋が収穫でき、しかも澱粉の生産性がたいへん効率的なので、熱帯アジアやアフリカで広く栽培されている。澱粉原料としては、ジャガイモに次いで栽培面積が多く、サツマイモと並ぶほどの重要作物である。

 キャサバの樹姿はなかなか美しい。茎は直立し、葉は掌状で、小葉は5枚から10枚ほど、ヤツデの葉を薄くしたような感じである。観賞植物としても十分に通用する。これの斑入り品種は、日本でも観葉植物として流通しているし、熱帯地域では、花壇や庭園にも広く植栽されている。

 キャサバはもともとは南米原産の植物なので、世界各地に普及したのは、新大陸発見以後のことになる。その点で言えば、ジャガイモやトマト、トウガラシなども同列である。しかし、これらは温帯で育つ植物だが、キャサバは熱帯でなければ栽培はむつかしいので、温帯に住む我々には馴染みが薄い。キャサバは、かって、17世紀に奴隷貿易が盛んになり、長い船旅の奴隷の食糧として、アフリカを中心に世界各地に広めたといわれる暗い歴史がある。この故かどうか、熱帯の貧しい農民の食糧だとの偏見で見る向きもあったように思えるが、現在では必ずしもそうではなく、澱粉原料や家畜飼料としての利用も重要となっている。

 熱帯アジアで野生化しているキャサバを見ると、同じところでバナナも一緒に野生化していることが多い。この風景を見れば、熱帯アジアでは飢饉というものはないのであろうと思えてくる。しかし、キャサバは基本的には有毒なので、栽培品種でないキャサバのイモは毒抜きしなければ食べることはできない。現在でも時に中毒事件があると聞いている。栽培されている品種は毒性の低い品種で、フリーマーケットなどでは、油揚げしたイモがよく販売されている。

 キャサバの澱粉をタピオカという。精製されたキャサバの澱粉はなかなか良質で、これを、小さな粒状に加工したものがタピオカパールあるいはスターチボールという。健康食品として、日本でもかなりブームになったこともあるので、食品売り場などで入手できると思う。販売されたこともある。ミルクティにつぶつぶの粒状のものが入ったタピオカティ、中華点心でココナッツミルクにつぶつぶのものが入った甘いデザートなど、タピオカ澱粉はどこかで食べた方も多いように思う。

(注記:観賞植物として流通しているキャサバは毒性が強い可能性があるので、決して食しないように)

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