オウギヤシ

画像をクリックすれば拡大できます

@アンコールワットの前庭にあるオウギヤシ(カンボジア)

Aアンコールワット。高くそびえているのがオウギヤシ
(カンボジア)

Bオウギヤシの果実(カンボジア)

C粉末の椰子糖

D錠剤状に固めた砂糖と包装に使ったオウギヤシの葉
学名Borassus flabellifer
和名オウギヤシ
別名 パルミラヤシ、サトウヤシ
英名Palmyra palm, sugar palm, toddy palm
科名ヤシ科
属名オウギヤシ属
性状常緑高木
原産地熱帯アジア(熱帯アフリカとの説もある)
 扇のように放射状に広がる葉を球状に広げている姿がとても美しい。しかも樹高は30m以上になり、周りの木よりひときわ高くそびえ立ってたいへん目立つ。カンボジアの有名なアンコールワットでは巨大な石造建築物と高さを競って美しい景観を作っている。石造建築物を引き立てているように見える。

 熱帯アジアのどの国に行っても、このヤシは公園、道路などどこかで見かける。なかでも、カンボジアのシェムリアップ近郊でたくさん植えられているように思える。

 オウギヤシは実用性の高いヤシで、いろいろな用途がある。なかでも、砂糖が採れるのが有名で、別名ではサトウヤシ(砂糖椰子)と呼んでいる。砂糖を作るのは熱帯ではサトウキビ、冷涼地ではビート(砂糖大根)が有名である。その他に、カナダではサトウカエデなども知られるが、このヤシから採る砂糖もなかなか美味である。

 カンボジアでヤシを多く見るのは砂糖を製造するためであろう。シェムリアップの近郊では農家の庭先に、縁台などを置いてこの砂糖を売っている風景をよく見る。オウギヤシの葉で包んで売っている。固形、粉末状、液状(シロップ状)などいろいろな形状の砂糖が販売されている。

 砂糖は、花穂を切り取って、その切り口から出る樹液を採取して製造する。この樹液には多量の糖分が含まれている。そのままで椰子ジュース、煮詰めれば椰子糖、発酵させれば椰子酒、椰子酢になる。高い木に登って樹液を毎日採取する作業はたいへんだが、1本の木で30〜40年ほど継続して採取できるようだ。

 果実はココヤシほど大きくはないが、それでも、径15cmほどはあり、生食できる。あるいは、果肉を乾燥粉末にして食用にする。

 葉の利用もなかなか用途が広い。砂糖産地付近の農家の屋根はすべてサトウヤシの葉で葺かれている。包装資材としてもかなり使われている。細く引き裂いて、ひもとしても利用する。笠、敷物、カゴ等の工芸品の素材としても用いる。

 注目されるのは古代には葉は貝多羅葉(ばいたらよう)として利用された歴史がある。仏教経典の写経するときの紙代わりである。貝多羅葉に書かれた写本を貝葉写本と言う。

 その他、木の幹は建材や家具材として用いられる。もちろん、庭園樹、街路樹としても優れていることは言うまでもない。

ホームページに戻る