ホ ー ム園芸百科


東北大震災の被災地に「花」の慰問をしてきました



 かってない大被害を受けた東北大震災の被災者の方々に花を贈る慰問をしました(5月27日〜30日)。
 この行事は、愛知県花き連鉢物PR委員会が実施したもので、当事務所は全面協力しました。
震災から日も過ぎ、被災者の心のケアが重要だといわれています。「花は心を癒す」と云われており、被災者の方々に花を贈ることで、何らかのお役に立てばと考えました。
 8トン車に、ニチニチソウを植えた小型プランター1500個、ポット苗3000鉢を満載、名古屋を5月27日夜に出発、10時間かけて宮城県石巻市まで直行、市内から牡鹿半島の先端まで、さらに、東松島市矢本町、仙台市宮城野区、亘理郡山元町などの15ヶ所ほどの避難所を巡り、花を寄贈してきました。
 どの避難所でもたいへん喜んで下さり、苦労して持っていった甲斐があったと嬉しく思いました。悲惨な被災地を見て、家を失い、家族を失った精神的な苦痛は計り知れないものがあると胸が痛みましたが、花を見て心を安んじて欲しいという希望が東北の皆さんに伝わったかと思って喜んでいる次第です。

 この企画は、愛知県の鉢物生産者、名古屋市民と東北地方の皆さんとの熱い連携を目指したもので、多くの関係業者の支援もいただいています。日本植物運輸(株)は植物運搬専用の8トン車を、三晃物産(株)はプランターを、三河ミクロン(株)はプランター植え込み用土を、栄印刷(株)はメッセージカードを、それぞれ無償提供してくださり、人員まで派遣くださいました。


石巻市の被災状況(5月28日)

牡鹿半島での津波被害。まだ瓦礫の処理は全く手が着けられていない。
石巻市街地での瓦礫。ここは墓地の故か全く手つかずのまま。
石巻市街。延々と瓦礫の山が続く。


花を持って慰問した避難所

総勢10名で被災地へ。
8トン車1台。
ワンボックスカー2台。
メーテレの記者も一人同行してテレビ取材。


石巻市の渡波小学校避難所(5月28日)


日本植物運輸(株)の8トン車から最初の訪問地で初荷下ろし。

本格的に荷下ろし作業。犬塚愛知県花き連PR委員長はテレビの取材を受ける。

避難所前でプランターを並べる。


石巻市の牡鹿半島付近の避難所(5月28日)

5カ所ほど回りましたが、写真撮影失敗

東松島市矢本町の矢本西市民センター避難所(5月28日)


矢本西市民センター避難所の玄関前。左後方では炊き出しの慰問を行っていた。

玄関横に花を並べる。

玄関で所長さん(右から2人目)、現地でお世話願った本名さん(右)と記念撮影


仙台市宮城野区の避難所(5月29日)

宮城野区高砂市民センター


避難者の方々が全員集まってくださり、暖かく迎えて頂く。私が代表して挨拶。オレンジ色のウエアーの方が館長の浅見さん。

花カレンダーも持ってきたことを説明すると避難者の方々がたいへんに喜んでくださる。中央の女性がこの地域でたいへんお世話になった今泉さん。

避難者の方々と一緒にプランターを台車から下ろす。会話が弾む。

避難者の方々と一緒にプランターを並べる。

避難所前にフラワーロード完成。突然のフラワーロードの出現に入所者から拍手が起こる。

この日避難所から仮設住宅に移られる方に花カレンダーを贈呈。皆さん拍手して喜んで頂く。


宮城野区の他の避難所


老人ホーム・ベストライフ仙台東で、慰問の花と共に記念撮影。

仙台市福室市民センターの玄関前に並べた花。

仙台市田子市民センターの玄関前で担当者へ主旨説明中。オレンジのウエアーの方が高砂市民センター所長。


宮城県亘理郡山元町の山下中学校避難所(5月29日)


山下中学校避難所玄関前にプランターを並べた。

同左

玄関前で校長先生と記念撮影。校長先生も非常に喜んでくださった。


名古屋市東山動植物園での「被災地へ花を贈ろうフラワーチャリティ!!」(5月21日、22日)


上記の花は、愛知県の花き生産者の作ったものですが、被災地に持って行ったプランター植えのものは、名古屋市の東山動植物園に来園された子供さんたちに植えてもらったものです。具体的には、ニチニチソウの苗を2鉢購入して頂き、1鉢はプランターに植え、1鉢は自宅に持ち帰ってもらう。そして、東北の皆さんを励ますメッセージを子供たちに書いてもらい、このカードをプランターに添えました。名古屋の子供たちは、自宅で育っているニチニチソウと同じ兄弟の株が被災地で育っていることに思いを馳せて頂き、名古屋の子供と東北の被災者の連帯がいつまでも続くことを期待した企画です。



名古屋市の東山動物園、植物園にテント小屋の売店を設け、震災地慰問のチャリティー販売を行う。

フラワーチャリティの趣旨説明の看板。

子供に花の植え方を生産者の方が指導

メッセージカードに励ましの言葉を子供たちに書いてもらう。

同左。

このようにプランターにメッセージカードを添える。




「花は心の癒し」東日本大震災の被災者に花を贈ろう・・・花き業界関係者への呼びかけ!!

 東日本大震災の津波で家を失い、家族を失い、そして、原発から出る放射線の故に故郷を失う、そんな人たちの悲惨な避難生活を見るにつけたいへん胸が痛む。被害に遭われた方やそのご家族の心の傷は計り知れないものがあると思える。この心の傷を少しでも和らげることに花き業界として何らかの貢献ができないものであろうか。

 仮設住宅の建設も急ピッチで進み、衣類や食品の救援への期待よりも、心のケアの方が重要な段階になっているとの指摘が増えいる。実際に、歌手やタレントの慰問も最近は急激に増えてきて、大歓迎されている。移動図書館で慰問している団体もかなり多い。花き業界も、遅れることなく、「花」をお贈りする行動に取り組んではいかがであろうか。

 花は、有害ガスを吸着し、空気を清浄化するという物理的な効果だけでなく、心を癒すという心理的効果が大きいと言われている。そして、これをうたい文句にして、販売を促進しようとする事例も増えている。

 いま、「心の癒し」を「宣伝のうたい文句」としてではなく、まさに東北地方でこれを実践するべき時ではないかと思う。そして、被災者の方々が「心が癒された」と云って喜んでくださるなら、どんな研究より、どんな宣伝より、はるかに重みのある実証になるであろう。

 また、これは消費拡大のための大きな運動になるはずである。「心が癒された」被災者の方々は、将来の花の大事なお客さんになっていただけるであろう。そして、その喜びの声が広がるなら、その波及効果は日本中に及ぶのではないだろうか。

 いま、花き業界は苦しい状況にある。さらに、東日本大震災の自粛ムードや、物流の混乱なども苦しさに拍車をかけているように思える。こんな時にこそ、発想を転換し、花き業界の将来のためにも、エンドユーザーである被災者を精神的に支援し、「花を贈る運動」の報道に触れた方達の気持ちを明るくすることで、自粛ムードを打破し、日本を元気にできるのではと思う。
 東北地方を花いっぱいにしようではないか。


私の経験からの感想・・・これから花を贈ろうとされる花き業界の方へ・・・

1.まずはどこの避難所でも花の贈呈はたいへん歓迎された。これだけ喜んでいただけるなら、夜行10時間の強行軍の疲れも吹っ飛んでしまう。
2.仮設住宅の建設は急ピッチで進んでいるので、避難所を退去される方が次第に増えており、仮設住宅へ引っ越しされる方のお祝いに花は最適のように思える。
3.切り花に対する要望もかなり強い(ご不幸にもお亡くなりになった方々の仏前に供える花が欲しい)。
4.花を贈るルートは、民間のボランティア団体に相談されるか、東北地方の知人などに相談するか、自分で避難所に電話して担当者に相談するか、いずれにしても、民間のルートで贈呈先を探すのがよい。行政関係から花の贈呈先を探そうと思っても協力は得られないと考えた方がよい。その理由は、花が欲しいとの要望は被災地の行政機関(避難所)からは上がっていないというのが単純な理由である。
5.被災地の行政関係に相談して何とか紹介して欲しいなどと相談してもまずは良い回答は得られない。いろいろ電話で相談したところ、以下のような面白い回答があって、結果的に全く得るところがなかった。
(1)避難所からは花が欲しいとの要望は出ていない(当然のことで、鯉のぼりが欲しい、温かいカレーライスが欲しい等の要望があるわけがない)。
(2)水が無いから管理が出来ない(こちらは本当だと信用してしまう。しかし多くの避難所は上水道があり、洗濯機まである。たしかに一部は無いところもあるには違いないが)。
(3)避難所には花に水をやる担当者がいない(よく言ったものだ)。
(4)花を置く場所がない(そんなことはあり得ない)。
(5)避難所を近いうちに廃止するので、そのときに花を撤去するような予算は計上していない。したがって、持ってきてもらっては困る(よく言ったものだ)。
(6)そのときは避難所になっている学校などに寄付してはと云えば、それは教育委員会の管轄になるので、交渉が難しい(これも、実態は現場で喜ばれる)。
(7)仮設住宅に転居されるときのお祝いにいかがかと聞いても、仮設住宅には置く場所がない(実際には仮設住宅に転居される方に喜んでもらえる)。
(8)救援物資は全て市で一括扱うようにしているから、避難所との直接取引は困る(実際に行ってみると全く違う。民間ボランティア団体が救援物資を大量に供給している)。

などなど、要するに余分なことはしたくないと云うことにつきるように思えてならない。

 しかし、第一線におられる避難所の責任者の方々は、行政関係の方であっても非常に積極的に応援して下さる方も多く、頭の下がる思いをすることが多かった。積極的に、他の避難所を紹介して下さったり、他の避難所に花を配分して下さったり、感謝することが多かった。やはり、現場の方々は、何が喜んで頂けるか、毎日、たいへんなお仕事の中で苦労されているだけに、事務方とは大いに反応が異なるように思える。。

6.では、どうすればよいか。
(1)ボランティア団体と相談する(贈呈先の指導だけでなく、高速道路の通行料免除手続きなどの支援も)。通行料免除手続きも行政に頼めば、受け入れ先から依頼の公文書をもらえという回答が来る。受け入れ先の行政が花は要らないと云っているのにそんな文書を出すわけがない。となるとその許可書は手に入らない。ボランティア団体と提携するに限る。
(2)避難所に直接電話する。
(3)東北地域の知人などに避難所を紹介してもらう。
今回の我々は(1)(2)(3)全ての方法を採りました。(3)が最も歓迎されたように思えました。


今回の花慰問行動のきっかけとなった呼びかけ

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