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タイ
(アジアの花事情)
(園芸文化・1998春号掲載の修正版)
タイはランの国で知られている。バンコックのドン・ムアン空港に降り立つとまずランの装飾が目を引く。土産用のデンファレも日本人の観光客に人気を集めている。

 デンファレの産地は、低湿な水田地帯にある。割竹で作ったラスハウスや寒冷紗で作ったハウスなど、日除けだけが目的の簡便な施設で栽培されているが、農家の経営規模は意外と大きい。気候に適した本場だけあって、生育状況はすばらしく、しかも、従業員一人あたりの管理面積からみて、生産性はかなり高い。品質の良いものは輸出用となり、残りの国内消費用となっている。低湿地帯だけに、細いクリークが縦横に走り、美しいデンファレを満載した小船が、竹竿を操られながら行き交うタイならではの田園風景も見られる。

 タイは敬虔な仏教徒の多い国で、仏前には花をたくさん使っている。寺院の仏像の前にたくさんの花が飾られているが、これは日本の比ではない。タイには、ピーという精霊を祭る小さな祠(プームという)が、商店や民家の庭先、大きな木の下、街角などいたるところに立っているが、ここにも花が飾られている。タイ独特の風景であるが、街を歩いていると花がたいへんに目につく。これだけでもたいへんな消費量であろう。

 タイの花き生産量は、ランが最も多いのは輸出も含まれるので当然として、その次に多いのがハスである。まさに仏教国ならではのことで、他の国には例がない。次いで、ジャスミン、バラ、キクの順になっている。ジャスミンは摘んだ花だけが出荷される。タイには本格的な高冷地が少ないので、標高差による産地分化が少ない。このため、どうしても熱帯花きが中心になり、キクやカーネーションのような温帯花きの生産が少ない。これらは輸入で補っている。
 バンコックの中央卸売市場は、市場の周辺も含めて多数の花の卸屋が並んでおり、かなり広大で、見応えがある。全て相対売りである。ランではデンファレとバンダが特に多いが、さすがランの国、種類や品種は豊富だ。この暑い国で見るとランはたいへんに美しく目を引く。観葉植物も多彩で、品種も多く、見応えがある。しかし、その他のものはそれほどでもないので、やや変化に乏しいともいえようか。タイの生産事情からいえばやむを得ないことであるが、同じ熱帯でもインドネシアやフィリピンとはかなり様相が異なる。

 バンコックで面白いのはサンデーマーケットだ。いわば日用品の市であり、チャトウチャック市場(土曜も開かれるのでウイークエンドマーケットと呼ぶべきだろう)が最大のもので、一日歩いても飽きないほどスケールは大きい。売っている品物も多彩だが、ここでも花のコーナーはかなり広く、切り花から鉢物、園芸用品などを売っている。
 
 タイは経済水準も高く、その上農業国でもある。花があふれた国で、花き生産の基盤ができている。これからも発展するのであろう。
デンファレの栽培風景
船での輸送風景 デンファレは低湿地帯に産地がある
 お寺での花
花市場の風景
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