ホームページに戻る海外の花き情報inndexへ

ケニアの花
2007.10.10

バラの出荷調整
★ケニアのバラ切り花の選別、調整、包装などの作業は、農場間の格差が多少はあるにしても、輸出商品としてかなり厳格に行われている。ほぼどこの農場にも権限の大きい品質検査員が配置されており、選別、結束作業などに目を光らせている。この検査員は出荷作業に関してだけでなく、栽培ほ場における品質管理も同様に指導をしている。トラブルに対しては、どのハウスで生産されたものか、だれが選別作業したものかまで含めて、トレサビリティができるように管理されている農場もある。このように品質管理はかなり徹底していると思える。

★選別結束作業は、基本的には人力で行われている。しかし、オランダなどで見られるような高度な選花機を設置している農場もある。ケニアにおいて高度な機械化を進める必要性がどこまであるのか、いささか疑問を感じないわけでもないが、低賃金の国とはいえ、巨大な経営面積を経営するには必要なことなのかも知れない。

★収穫物のコールドチエーン体制は、非常に徹底している。どこの農場にも、広い冷蔵室があり、予冷室、保冷室、急速冷蔵室などを備え、さらに、空港間での輸送も保冷車が使われ、全て低温管理されていると言って良い。温度管理されていない部分は当然のことであるが、温室から作業室間の移動時ぐらいであろうか。

ハウスでの採花から搬出
★当然の手順であろうが、以下にハウスでの収穫の手順を書く。まずは、ハウスで収穫されたバラは、普通はハウス内で一次選抜を行い、すぐにバケツに入れる。バケツに入れたバラの葉に品種名と収穫日を記載した小さなラベルを貼る。そして、リヤカーのような運搬車で調整作業室に搬入する。なお、品質検査員はハウス内の生育状況、収穫状況などの状況を適宜見回る。基本的にバラの切り花は常にバケツでの水揚げ状態で行われる。


収穫作業。はさみは作業前に消毒する。収穫は多くの場合1日2〜3回行っている。
ハウス内の中央道路にある作業台。ここで一次選抜する。台には花の長さを測るための線がある。
同左。作業台の上だけは日除けがしてある。

選抜が終わったものはバケツに入れて通路に並べ、集荷作業員を待つ。

バケツごとに品種名、収穫日などを記載したラベルを葉に貼る。

白い服を着た検査員が見回る(ちなみに、服装はウインドブレーカーのような日本では厳寒期に着るようなもの)

農場によっては葉に傷を付けないように、ネットで茎葉をカバーする。この例は珍しい。

通路に置かれたバケツは専用のリヤカーに乗せて運搬作業員が調整作業室へ運ぶ。この農場では使っているバケツは角形で、オランダで使われているものと同じ。

運搬用リヤカー。この農場のバケツは円形。色違いを使って品種などを仕分けしている農場もある。

運搬用リヤカー。通路が狭い農場では幅の狭いものを使う。運搬車はバケツが固定されるようになっている。

作業場が離れている場合はトラックも使う。


選別結束作業
★出荷作業棟に運び込まれた後の作業手順は以下のようである。バケツ入りのバラはいったん冷蔵庫で予冷されて水揚げされる。この時の水は十分に殺菌されたものを使っている。作業場では、最初に茎の下部のトゲ取りを行う。次いで長さ別に選別するが、その時には当然に花や葉の部分の選別も行う。分別されたバラは、花部をそろえて薄い段ボールペーパーで巻き、結束後、茎の下部を切りそろえる。花束の本数は、品種や顧客の要望によって異なるが、普通は20本である。そして、いったんバケツに入れて、冷蔵庫内で水揚げする。出荷直前にバケツから出して水滴を取るために風乾して後、段ボール箱で梱包し、急速冷蔵を行って後空港へ向かうことになる。なお、写真を見れば、上段の写真も含めて服装の色や帽子の色が異なる作業員がいる。これは、一般労働者、監督者、検査員など職制の身分によって変えている。


作業室の風景。中央の白いラインはベルトコンベアーで、結束の終わったものが走る。ここの施設はかなり整然としている。

作業室の風景。ここの農場は別に大きな選花機も入れているが、ここは手作業のコーナー。

作業室の風景。ここは全て手作業で行っている。




ハウスから届いた状態。

トゲは機械で摘除する。ただし、茎の弱い品種は人力で摘除する。

作業台。切り花の長さを測る目盛りがついている。これで計って分別する。

長さ別に仕分けたバラ。

さらに入念に花の品質を確かめながら結束作業をする。

ボックス状の枠に花部を梱包する段ボールシートを敷き、規定の本数のバラを並べてからシートを巻き付ける。ここの農場では段ボールシートにこの段階でバーコードを貼り付けている。

茎の下部を押し切りで切りそろえる。

このような包装状態となる。

結束、包装の終わったものは、冷蔵室内で水揚げ剤で処理する。

段ボール箱に詰める前に茎葉に着いている水分を風に当てて除去する。乾けばダンボールる箱詰めする。

さらに、PPで包む。

段ボール箱詰めする。

同。

梱包の終わった状態。2.5℃前後に急速冷却し、空港へ運ぶ。





バーコード管理
★1束ずつのバーコード管理をしている例がある。出荷作業棟で、花部を包む段ボールシートの内側に、結束時にバーコードを貼っており、これを読みとることによって、1束づつの徹底的なトレサビリティを行っている。どのハウスで生産し、誰が選別、結束したかがこのバーコードですべて追跡できるシステムである。


結束時に貼られたバーコード。

同右。花弁の弱い品種は発泡スチレンシートで花の部分を保護している。

バーコード読み取り機で読みとる。

選花機
★本格的な機械選花を行っていた農場があった。オランダ製の選花機である。現時点ではケニアの労賃などを考えれば選花機を導入する意義がどこまであるのかよく分からない。あるいは選花機の選別性能の方を信用しているのであろうか。

選花機。花を入れる側。

選花機。選別、結束された花が出てくる側。、

選花機から出てきた花束に段ボールシートを巻くなどの仕上げをする作業。

システム化された選花場
★極めてシステム化された出荷作業場を作っている農園があった。ここでは写真を写さないようにとのことであったので、その概要を紹介する。
★バケツの下には、品種名・温室番号などが入力されたICチップが埋め込まれており、施設に搬入されたバラは、コンベアで施設内に搬入される。選花施設に入ると,まず下葉を除去されて予冷室に入庫する。予冷されて後、選花場に自動的に搬出される。そして、チップに読み込まれたデータに基づいて、バケツは6つある作業レーンに分配される。各レーンには選花台が両側に20台あり、ここで作業を行う。要するに流れ作業が行われるシステムで、作業はすべて人力で行っている。選花処理能力は500万本/週とのこと。効率は良さそうに思える。

システム化された選花場の外観

トラックから降ろされたバケツはコンベアーに乗って選花場に入る。

冷蔵室
★選花場の冷蔵室はどの農場も完備している。冷蔵室は、まずは収穫された切り花を収納する予冷室、選花、結束の終わったもの、あるいは水揚げ剤処理する保冷室、段ボール箱詰めされて出荷する寸前の急速冷蔵室に大分けできる。これらの温度は農場やバラの品種によって若干異なるが、およそ予冷室は5℃前後、保冷室は5〜9℃、急速冷却室は2〜3℃程度が多い。




収穫したものを入れる予冷室。バケツの中は殺菌された冷水が入っている。

保冷室。結束、包装の終わったものを水揚げ剤処理や段ボール箱詰めまでの管理をする。

急速冷却室。段ボール箱詰めして出荷するまでの間の管理。トラックも保冷庫が使われる。




花束加工と品質検査
★ヨーロッパのスーパーなどの量販店向き花束加工がケニアで行われている。小売価格から日持ち保証期間まで表示した量販店のラベルが、ケニアの農場で既に貼られている。時には、バーゲン価格まで表示されているのは驚きである。日持ち保証の表示まであるということは、その保証はケニア側の農場が負わされているものと思われる。実際にクレームがあったときはその原因を追及する試験が、農場側の品質検査室で行われていた。また、品質検査は当然のことながら、一般輸出用の商品に対しても行われている。品種別の日持ち試験などもかなり行っている。もっとも、専門の試験室をすべての農場で持っているわけではないので、農場間の格差はかなりあるようにも思える。




イギリスの大手スーパーマーケットのセンスベリーのラベルが貼られた花束。このラベルには日持ち保証の期日まで記載してある。40%割引のラベルまで貼ってある。

これはバラではなくカーネーション。やはりイギリスのスーパーマーケットのセンスビーで見るラベル。10日保証あるいは14日保証のラベル。バラは一般的には7日保証。

品質検査室の風景。バラの品種別の日持ち試験。

ホームページに戻る海外の花き情報inndexへ