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ケニアの花
2007.10.15

バラ栽培技術
ケニアの切り花生産がオランダやイギリスの資本投下と技術移転によって発達した経緯から当然のことであるが、かなり技術水準は高い。

栽培床
 栽培床は、隔離床か土耕かに大別される。隔離床の形態は農場によって異なり多様である。隔離床はさらに、地表との間に空間のある高設式のものと、地表にコンテナやポリ袋(ポリ鉢)を並べた低設式のものに分けられる。基本的には養液の循環方式が行われている。土耕の場合は比較的高い畝が立てられ、籾殻などの有機物を混入して土壌改良している。


高設式の隔離床。床を支える鉄棒はあまり頑丈なものではない。

左よりは高さが低いが同様に高設式。写真中央に見えるパイプはドレンを確認するためのもの。

コンテナを地表に並べた隔離床。

上段の隔離床は全て写真のような火山礫が使われる。

土耕の畦。このような高い畦を立てて潅水用チューブを配する。ちなみにこのような小さな苗を植える。

同左。

仕立て法
 仕立て法については取り立てて云うほどでもなく、若干の枝を折り曲げて同化枝としている。同化枝の量は比較的少ない。通路を歩く作業に邪魔になるほどではない。


多少の同化枝はあるが、それほど多くない。

これは同化枝が少し多い。

同左。



病害虫防除
 輸出商品を生産しているだけに病害虫の防除はかなり徹底している。農薬はかなり使っているように思え、ある農場の作業予定表を見ると週1回は確実に散布していた。温室に入室するときに靴を消毒するための消毒漕を設置していたり、収穫する鋏を確実に消毒したり、切り口に銅剤を塗布したり、また硫黄燻蒸をかなり行っており、病害虫に配慮している姿勢がいろいろと見られる。
 一方で、減農薬を目指して環境に配慮しようとする姿勢も各所で見られる。どこまで効果があるか分からないが、バラ栽培しているハウス内でカレンジュラを植えたり、畝間にマリーゴールドを植えたりしているところも見られる。


薬剤散布中の作業風景。

左の写真を拡大したもの。作業員全体が、防水作業衣、手袋、マスク、ゴーグルをつけた完全な防御服を着用している。

農薬定置配管の取り出し口のコックの上にはHATORI/SUMI(危険)と表示してある標識がある。標識の左上の赤い筒は鋏の消毒用。鋏は必ずこれに浸けてから作業する。

キンセンカ(カレンジュラ)がコナジラミの殺虫効果を持つということで、1列栽培されていた。ただし、効果のほどは分からない。

畝間にマリーゴールドを植え、石灰を散布している農場があった。ネマトーダを殺す効果がある。石灰は土壌の酸性化防止のため。

ハウスの入り口に消毒水槽を設置している農園があった。

切り口からの病害侵入を防ぐため、切り口に銅剤を塗布していた。

害虫捕殺用の黄色の粘着シートを温室側面に張っている農場もある。

燻蒸器も各所で見られる。



品質
 ケニアのバラの品質はかなりよい。まずは何より花が大きい。茎が長く、葉姿も良い。




育苗
 ケニアでは苗生産も自ら行っている農場が多い。当然にロイヤリティは支払っているが、価格は日本とほとんど同程度である。苗は接ぎ挿しで増殖しているが、台木の増殖も自ら行っている農場もある。台木の品種はナタルブライアー(Natal Briar)で,オランダから培養苗を購入ている。根頭がんしゅ病フリーとのことである。


台木用のシュートを生産しているハウス。

接ぎ挿し作業を行う前の台木と接ぎ穂の冷蔵保管。

台木用のシュートも販売しており、これはこれから出荷するためのもの。

接ぎ木作業の様子。刃物は1本接ぐたびに消毒液に浸けていた。

接ぎ木の終わったものはミスト室でポットに挿し木する。

同左。

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